竹林伐採の補助金の探し方

公開 2026年10月20日 更新 2026年10月20日

この記事の結論

  • このサイトで、竹林の伐採・整備に使える県と市町村の制度を**87件(37都道府県)**調べました。補助金は60件で、残りは竹粉砕機の貸出などです。
  • 県の制度29件のうち19件は、県が独自に集める森林づくりの税(森林環境税など)やその基金を使う事業でした。
  • 補助金60件のうち、個人も申請できるのは25件です。団体(自治会・NPOなど)だけが申請できる制度が多くあります。
  • 探すときは、まず竹林がある市町村の農林・林務の担当課に聞きます。団体で整備するなら、国の「里山林活性化による多面的機能発揮対策」(林野庁)も使えます。
  • ほとんどの制度は伐る前の申請が必要です。先に業者と契約しないでください。

竹林の補助金にはどんな制度がある?

竹林の支援には、伐採・整備の費用の補助金のほか、竹粉砕機の貸出や、伐った竹の回収があります。

このサイトの調査データ(各自治体の公式ページで2026年10月20日に確認、竹林の補助金・貸出)の内訳です。

種類 件数 うち個人も申請・利用できる 主な内容
補助金 60件 25件 伐採・整備・処分の費用の一部を出す
竹粉砕機などの貸出 19件 7件 竹を砕く機械を無料や低い料金で貸す
竹の回収・持ち込み 3件 3件 伐った竹を集める・受け付ける
その他 5件 2件 県が代わりに伐る事業など

87件のうち、県の制度が29件、市町村の制度が47市町村で58件です。北海道、青森県、岩手県、秋田県、栃木県、東京都、滋賀県、徳島県、宮崎県、沖縄県では、調べた範囲で制度が見つかっていません。見落としや新しい制度があるかもしれないので、その場合も市町村に聞いてみてください。

受付の状況も制度によって違います。87件のうち、今日の時点で受付中と確認できたのが26件、今年度の受付が終わったものが15件、ページに受付期間が書かれていないものが46件でした。

県の制度は森林環境税の事業が中心

県の制度の多くは、県が独自に集めている森林づくりの税を使う事業です。

県の制度29件のうち19件は、ページや要綱に、県独自の森林づくりの税(「森林環境税」「森づくり県民税」など、県によって名前が違います)や、その税を積み立てた基金を使うと書かれていました。たとえば次のような制度です。

  • 鳥取県 竹林整備事業(豊かな森づくり協働税):森林の持ち主が自分で行うことも、森林組合などに頼むこともできます。申請は市町村を通じて行い、1か所0.1ha以上、事業後5年間は竹林として管理することが条件です。
  • 山口県 繁茂竹林整備事業(やまぐち森林づくり県民税):県が委託した業者が伐るので、持ち主の費用負担はありません。そのかわり、県と9年間の協定を結び、その間は森林以外に使えません。
  • 大分県 竹林再生事業(大分県森林環境税):1haあたりの標準事業費に伐る面積と4分の3を掛けた額を補助します。1か所0.1ha以上で、交付決定の前に伐った分は補助されません。

県の制度は、市町村や森林組合、地域の団体が申請するものが多く、持ち主が県に直接申し込めるものは限られます。県の制度でも、窓口は市町村の担当課になっていることがよくあります。

個人が申請できる補助金は少ない

個人も申請できる補助金は、調べた60件のうち25件でした。個人で使える場合も、面積や手続きの条件があります。

補助金60件のうち41件には、「100㎡以上」「0.1ha以上」などの面積の条件がありました。庭の数本の竹は対象にならないことが多いですが、裏山や空き家の竹林なら当てはまる場合があります。

個人も申請できる市町村の補助金の例です(いずれも各市町村のページで確認した内容です。今年度の受付状況は必ず市町村に確かめてください)。

自治体 補助の内容 主な条件
茨城県 常陸太田市 1/2以内(荒れた竹林の皆伐は1か所上限40万円) 1か所100㎡以上。業者に頼む費用が対象で、自分で伐る費用は対象外。伐る前に申請し、見積書は2者以上から取る
福岡県 嘉麻市 業者に頼んだ場合は上限40万円。自分で整備した場合は市の標準額×面積 間伐は500㎡以上、皆伐は200㎡以上。整備後に市と10年間の協定を結ぶ
熊本県 和水町 定額。皆伐は10aあたり10万円、間伐は10aあたり5万円 おおむね100㎡以上。審査と現地調査で交付決定を受けてから作業する
新潟県 佐渡市 整備面積1haあたり200万円の80%以内(公道に隣接する竹林は100%以内) 500㎡以上。5年以上管理する意思があり、竹材などを利用すること。始める前に申請する
群馬県 前橋市 竹木粉砕機を借りる費用の2/3以内(上限12万円) 市内のレンタル業者から借りること。事前に申請する

国の交付金は「里山林活性化による多面的機能発揮対策」

自治会や地域の仲間など3名以上の団体で竹林を整備するなら、国の交付金が使えます。

林野庁のページによると、以前の「森林・山村多面的機能発揮対策交付金」は平成25年度〜令和6年度の事業で、令和7年度から「里山林活性化による多面的機能発揮対策」に変わりました(林野庁「里山林活性化による多面的機能発揮対策交付金」)。

実施要領で確かめた主な内容です(林野庁「里山林活性化による多面的機能発揮対策実施要領」)。

  • 申請できる団体:森林所有者、地域住民、自治会などの3名以上で作る団体、または従業員などが3名以上の法人。代表者を決め、活動する森林のある都道府県に事務所を置き、規約などを作ります。
  • 竹林の整備の交付単価:「地域活動型(竹林資源活用)」は1haあたり、初年度33万2,000円、2年目30万4,000円、3年目27万6,000円。
  • できる活動:竹や雑草木の刈り払い・伐採・集積・搬出・処理、見回り、講習などで、刈払機・チェーンソー・チッパーなどの購入や借り賃も支援の対象です(林野庁「竹林整備及び竹材利用に係る対策(令和8年度)」)。
  • 進め方:森林の持ち主の同意を得て協定を結び、3年間の活動計画書を作ります。活動のあとは森林の状態を調べる調査(モニタリング)を行います。

窓口は、都道府県ごとに置かれた「地域協議会」です。連絡先は林野庁の同じページに、都道府県ごとの一覧があります。

どこに聞けばいい?

まず、竹林がある市町村の農林・林務の担当課に聞くのが近道です。

調べた制度の問い合わせ先は、「農政課 林政係」「農林振興課 林務係」「林業水産課」など、農業や林業の担当課が多くありました。ただし、目的によってはほかの課のこともあります。

  • 道路沿いの危ない木や竹:岐阜県恵那市の道路沿いの危険木の伐採補助は、建設課が担当です。
  • クマなど野生動物の対策:山形県鶴岡市の鳥獣緩衝帯の整備補助は、環境政策課(鳥獣害安全対策室)が担当です。
  • 県の制度:県の林業の担当課のほか、各地の農林事務所が窓口のことがあります。

電話では、次のように聞くと話が早く進みます。

  1. 「(地区名)にある竹林、だいたい(面積)㎡を伐りたい。使える補助金や機械の貸出はありますか」
  2. 「個人でも申請できますか。自分で伐っても対象になりますか、業者に頼む必要がありますか」
  3. 「今年度の受付はいつまでですか。予算は残っていますか」
  4. 「申請に必要な書類(見積書、写真、位置図、同意書など)は何ですか」

申し込む前に確かめること

補助金は、伐る前に申請して、交付決定を受けてから作業するのが基本です。

調べた補助金60件のうち26件に、交付決定を受けてから作業する流れが書かれていました。大分県は、交付決定の前に伐った分は補助しないと明記しています。業者と契約する前に、次の点を確かめてください。

  • 作業してよい時期:交付決定の前に伐ったり、契約・支払いをしたりしていないか。
  • だれが作業するか:常陸太田市のように業者への委託が対象の制度もあれば、嘉麻市のように自分で整備してもよい制度もあります。
  • 見積書:常陸太田市は2者以上の見積書を求めています。業者の選び方は竹の伐採業者の選び方・見積もりの見方にまとめています。
  • 整備後の約束:何年間、竹林や森林として管理するか(5年、9年、10年など)。
  • 持ち主の同意:共有の土地や、相続で持ち主が複数いる場合は、全員の同意が必要なことがあります。

補助金が使えない場合の費用の目安は竹の伐採を業者に頼んだときの費用にあります。

都道府県別に探す

県と市町村の制度は、都道府県ごとのページで、補助率・上限額・申請できる人・受付期間をまとめています。件数は県と市町村の制度の合計です。

全国の一覧は竹林の補助金・貸出、竹粉砕機の貸出だけを見たいときは竹粉砕機の貸出を見てください。竹林をどう整備するかは竹林整備の方法(間伐・皆伐)にまとめています。

よくある質問

竹林の伐採に個人で使える補助金はありますか?
あります。ただし少数です。このサイトで調べた補助金60件のうち、個人も申請できるのは25件でした。多くは面積の条件(100㎡以上、0.1ha以上など)や、伐る前の申請、整備後の管理の約束が必要です。
竹林の補助金はどこに聞けばよいですか?
まず、竹林がある市町村の農林・林務の担当課に聞きます。県の制度も市町村が窓口になっていることが多いからです。自治会などの団体で整備するなら、国の交付金の窓口である都道府県の地域協議会にも聞けます。
国の「森林・山村多面的機能発揮対策交付金」はまだありますか?
林野庁のページによると、この交付金は令和6年度で終わり、令和7年度から「里山林活性化による多面的機能発揮対策」に変わりました。3名以上の団体が対象で、竹林の整備は1haあたり初年度33万2,000円が交付単価です。
伐ったあとに申請しても補助金はもらえますか?
多くの制度では、もらえません。調べた補助金60件のうち26件に、交付決定を受けてから作業する流れが書かれていました。大分県のように、交付決定の前に伐った分は補助しないと明記している制度もあります。

出典

数字は上の資料の原文で確かめています(調べ方)。

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