空き家・実家の竹やぶの片付け

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公開 2026年10月20日 更新 2026年10月20日

この記事の結論

  • 空き家の敷地の竹も、空家等対策特別措置法(空家法)の対象です。市町村長が持ち主に求める措置には「立木竹の伐採」が書かれています。
  • 竹の手入れをしていない空き家は「管理不全空家」や「特定空家」と判断されることがあり、市町村から指導 → 勧告(特定空家は命令 → 代執行まで)を受けることがあります。
  • 勧告を受けると、その敷地は固定資産税などの住宅用地の特例から外れます(国土交通省のガイドライン)。
  • 遠方に住んでいる場合は、まず市町村の空き家の担当課に状況を聞き、地元の業者に写真で前後を報告してもらう形で進めます。
  • 相続した家は、相続を知った日から3年以内の相続登記が義務です(令和6年4月1日から)。

空き家の竹は空家法の対象になる?

なります。空家法は、空き家の敷地にある竹や木も「空家等」に含めています。

空家法2条1項は、「空家等」を次のように定めています(e-Gov法令検索。令和8年9月3日施行の改正を反映した現行の条文で確認)。

この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。第十四条第二項において同じ。)をいう。

また、空家法5条は、空き家の持ち主や管理者は、周りの生活環境に悪い影響をおよぼさないよう、適切な管理に努めなければならないとしています。

市町村長が持ち主に求める措置として、13条2項(管理不全空家)と22条1項〜3項(特定空家)には、「修繕」「除却」と並んで「立木竹の伐採」が書かれています。竹やぶの片付けは、空き家の管理の一部として扱われているということです。

管理不全空家・特定空家とは

管理不全空家は、手入れがされず、このままだと特定空家になるおそれがある空き家です。特定空家は、周りの生活環境のためにそのままにしておけない状態の空き家です。

国土交通省のガイドラインは、木や竹について次のような状態を例に挙げています(国土交通省「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針」)。

管理不全空家 特定空家
立木の状態の例 立木の伐採・補強などがされておらず、腐朽が見られる。枝の剪定などがされず、枝などのはみ出しが見られる 倒れるおそれがあるほど立木がひどく傾いている・幹が腐っている。周りの建物を壊したり、通行をさまたげたりするおそれがあるほど枝などがはみ出している
市町村長ができること 指導 → 勧告(13条) 助言・指導 → 勧告 → 命令 → 代執行(22条)
勧告を受けたとき 敷地が固定資産税などの住宅用地の特例から外れる 同じく住宅用地の特例から外れる
命令に従わないとき — 50万円以下の過料(30条1項)

ガイドラインはこれらを「例」として示していて、空き家かどうか、どの区分にあたるかは市町村が総合的に判断します。

市町村からの連絡はどう進む?

市町村からの連絡は、いきなり命令になるのではなく、指導や助言から段階をふんで進みます。

空家法の条文にそって流れをまとめます。

  1. 情報の提供・助言:市町村は、持ち主が空き家を適切に管理できるよう、情報の提供や助言などに努めるとされています(12条)。
  2. 調査:市町村長は、空き家の持ち主を調べるなどの調査ができます。特定空家の措置に必要な範囲で立ち入って調べるときは、5日前までに持ち主に知らせます(9条)。
  3. 指導(管理不全空家)/助言・指導(特定空家):竹の伐採など必要な措置をとるよう求められます(13条1項、22条1項)。
  4. 勧告:それでも改善されないと、勧告を受けます(13条2項、22条2項)。ここで住宅用地の特例から外れます。
  5. 命令(特定空家):正当な理由なく勧告に従わず、特に必要があると認められると、期限をつけて命令されます。命令の前には、意見書を出す機会があります(22条3項・4項)。
  6. 代執行(特定空家):命令に従わない場合などは、行政代執行法に従って、市町村が代わりに作業をすることができます(22条9項)。

市町村から手紙が届いたら、放っておかずに担当課に連絡し、いつまでに何をするかを伝えます。所有や相続の争い、隣の家との争いになっている場合は、弁護士や法テラスに相談してください。

遠方に住む持ち主の進め方

遠方に住んでいる場合は、市町村への確認、現地の確認、業者への依頼、片付け後の管理の順で進めます。

  1. 市町村の空き家の担当課に聞く:苦情や指導が来ていないか、空き家の相談窓口や、使える補助金がないかを聞きます。竹林の補助金は農林の担当課のことが多いので、竹林伐採の補助金の探し方も見てください。
  2. 持ち主をはっきりさせる:相続した家なら、相続登記を済ませます。法務省によると、令和6年4月1日から相続登記の申請が義務になり、相続したことを知った日から3年以内に登記する必要があります。正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料が科される可能性があります。令和6年4月1日より前に相続した不動産は、令和9年3月31日までに登記します。兄弟などと共有している場合は、だれが費用を出し、だれが業者とやりとりするかを決めます。
  3. 現地の様子を知る:竹がどこまで広がっているか、隣の家や道路、電線にかかっていないかを確かめます。帰省のときに写真をとるか、業者の現地見積もりのときに写真を送ってもらいます。
  4. 業者に見積もりを頼む:2〜3社から、同じ条件で見積もりを取ります。立ち会えない場合は、作業の前と後の写真で報告してもらうよう頼みます。見積書で確かめる項目は竹の伐採業者の選び方・見積もりの見方にまとめています。
  5. 伐った竹の処分を決める:運び出して処分するか、砕いて敷地にまくかで費用が変わります(伐った竹の処分方法)。

隣の人から苦情が来たら

隣の家に竹の枝や根が入っている場合は、民法の決まりで、隣の人が自分で切れる場合があります。

民法233条4項は、隣の土地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができるとしています。枝は、竹木の持ち主に切るよう求めても相当の期間内に切らないとき、持ち主やその居場所が分からないとき、急いで切る必要があるときに、隣の人が切ることができます(233条3項)。くわしくは隣の家の竹が越境してきたときにまとめています。

竹の植え方や支え方に問題があって他人に損害を与えた場合の責任は、民法717条2項が定めています(放置竹林で起きること)。苦情が来たら、まず謝って、いつまでに片付けるかを伝えます。話し合いがまとまらないときは、弁護士や法テラスに相談してください。

片付けたあとの管理

竹は伐っても地下茎から再生するので、片付けたあとも年に1〜2回は伐る必要があります。

香川県の「竹林整備のための施業指針」は、竹林ととなりの土地の間をあけ、毎年1〜2回(夏ごろと冬)草を刈り、出てきた竹を伐る方法を紹介しています。地下茎が広がるのを止めるには、深さ50cmほど地中に板などを埋める根止めもあります(竹の根の止め方・抜き方)。

空き家を売る・貸す予定がない場合でも、年に何回か見回りをして、出てきた竹を地際から伐ります。年ごとの作業は竹の駆除の進め方(年間の流れ)にまとめています。

よくある質問

空き家の庭の竹も空家法の対象になりますか?
なります。空家等対策特別措置法2条は、空き家の敷地に「立木その他の土地に定着する物」を含めています。13条と22条には、市町村長が求める措置として「立木竹の伐採」が書かれています。
竹やぶを放っておくと、空き家の固定資産税は上がりますか?
国土交通省のガイドラインによると、管理不全空家や特定空家として市町村長から勧告を受けると、その敷地は固定資産税などの住宅用地の特例から外れます。勧告の前には、指導や助言があります。
遠くに住んでいて実家の竹を見に行けません。どうすればよいですか?
まず空き家がある市町村の空き家の担当課に、苦情や指導が来ていないかを聞きます。そのうえで地元の業者に現地を見てもらい、作業の前と後の写真で確かめる方法があります。相続した家なら、相続登記もあわせて済ませます。

出典

数字は上の資料の原文で確かめています(調べ方)。

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