竹林整備の方法(間伐・皆伐)

公開 2026年10月20日 更新 2026年10月20日

この記事の結論

  • 竹林整備は、まず「竹林として使い続けるか」「竹をなくして森に戻すか」を決めます。前者なら間伐、後者なら皆伐です。
  • 間伐で残す本数の目安は、林野庁の報告書でモウソウチクのタケノコ林が1haあたり2,000〜3,000本、竹材もとる林で4,000〜5,000本、大径のマダケ竹材林で6,000本程度です。
  • 伐るのは枯れた竹・病気の竹・古い竹です。マダケやモウソウチクは3〜4年生が伐りどきで、5〜6年以上の竹は取り除きます(香川県の指針)。
  • 竹林を残す手入れは10月上旬〜12月上旬が適期です。春から初夏は親竹を伐らないようにします。
  • 皆伐したあとは、伐った翌年から細い竹がたくさん出ます。何年か刈り払いと見回りを続けます。

竹林整備は何から決める?

竹林整備は、その竹林を「この先どうしたいか」を決めるところから始めます。目標によって、伐る本数も伐り方も変わるからです。

香川県は、竹林の整備目標を次の5つに分けています(香川県「竹林の整備目標」)。

  1. 竹材をとる竹林として再生する
  2. タケノコをとる竹林として再生する
  3. スギ・ヒノキの林として残す(入りこんだ竹を伐る)
  4. ほかの木の森として残す(入りこんだ竹を伐る)
  5. 竹を全部伐って森に戻す(竹がふえて木が枯れ、竹林として使う予定もない所)

1と2は竹林を残す整備で、「間伐(かんばつ)」をします。3〜5は竹を減らす・なくす整備です。林野庁の報告書は、もともと竹林でなかった所に竹が広がった「拡大竹林」と、森に竹が入りこみつつある「木竹混交林」が、整備の優先順位が高いとしています(林野庁「竹の利活用推進に向けて」)。

間伐と皆伐、どちらを選ぶ?

竹林を残して使うなら間伐、竹をなくすなら皆伐(かいばつ)を選びます。

間伐(伐りすかし) 皆伐(全部伐る)
目的 竹林を残して、太くよい竹やタケノコを育てる 竹をなくして、木の森や別の使い方に戻す
伐る竹 古い竹・枯れた竹・細い竹 すべての竹
伐ったあと 毎年か1年おきに伐りすかしを続ける 細い竹がたくさん再生するので、何年も刈り払う
向く時期 10月上旬〜12月上旬 竹を使わないなら夏、竹を使うなら晩秋〜冬
注意 伐りすぎると細い竹が多く出る 1回伐っただけではなくならない

竹林の一部だけを皆伐する場合は、残す竹林との境目の地下茎を切っておきます(香川県「竹林整備のための施業指針」)。竹は地下茎でつながっていて、残った竹林から地下茎が伸びてくるからです。

間伐で残す本数の目安は?

残す本数は、モウソウチクのタケノコ林なら1haあたり2,000〜3,000本、竹材もとる林なら4,000〜5,000本が目安です。

林野庁の報告書と香川県の指針に書かれた本数を、1haあたりにそろえて並べます。1ha は 10,000㎡(100m×100m)、10アールは 1,000㎡ です。

竹林の種類 残す本数の目安 出典
モウソウチク:タケノコだけをとる林 2,000〜3,000本 林野庁 報告書
モウソウチク:タケノコ林(10アールあたり150〜300本) 1,500〜3,000本 香川県 指針
モウソウチク:タケノコと竹材の両方をとる林 4,000〜5,000本 林野庁 報告書
マダケ:大径の竹材をとる林 6,000本程度 林野庁 報告書
マダケ:土地のよい所(1,000㎡あたり700〜900本) 7,000〜9,000本 香川県 指針
マダケ:土地がふつうの所(1,000㎡あたり800〜1,100本) 8,000〜11,000本 香川県 指針
マダケ:土地がやせた所(1,000㎡あたり1,000〜1,500本) 10,000〜15,000本 香川県 指針
参考:手入れされていないモウソウチク林(枯れた竹を含む) 10,000〜12,000本程度 林野庁 報告書
参考:手入れされていないマダケ林(枯れた竹を含む) 10,000〜20,000本 林野庁 報告書

香川県の指針は、タケノコ林では毎年新しく残す親竹が10アールあたり40〜80本ほど必要だとしています。また、次のような場所では本数を多めに残すとしています。

  • 風が強い所、雪が多い所、雨が少ない所
  • 急な斜面、山の上のほう
  • 土地がやせている所

手入れされていない竹林は、上の表のとおり1haあたり1万本を超えることがあります。いきなり目安の本数まで減らすか、何年かに分けて減らすかは、竹の太さや場所の条件で決めます。指針には、伐りすかしが弱いと新しい竹の数は減るが太くなる、という説明もあります。

どの竹を伐り、どの竹を残す?

伐るのは枯れた竹・病気の竹・古い竹で、残すのは若くて太い竹です。

香川県の指針は、次のように書いています(香川県「竹林整備のための施業指針」)。

  • マダケやモウソウチクのような太い竹は、3〜4年生を伐るのが最もよい。
  • 5〜6年以上の古い竹は取り除く。古い竹の地下茎は弱っていて、新しい竹を出す力がほとんどない。
  • 細い竹を伐って、若い太い竹を残す。
  • 竹の間隔はそろっているほうがよいが、無理に同じ間隔にする必要はない。伐ると広すぎるすき間ができる所は、少し古い竹でも残しておく。

林野庁の「竹の性質」も、竹材として使うのは3〜5年生の竹が最もよく、3〜4年目の地下茎が最もタケノコを出し、5年目を過ぎると減るとしています。同じページには、竹には木のような形成層がなく、毎年太くなることはないとも書かれています。

伐る時期はいつ?

竹林を残して手入れする伐採は、10月上旬〜12月上旬が適期です。

香川県の指針は、夏は竹が盛んに育ち、地下茎も伸びている時期なので伐るのを避けたいとしています。10月ごろから12月ごろは竹の中の水分が減り、虫の害も受けにくく、地下茎にたくわえる養分も多くなるので、伐るのに向いているとしています。林野庁の報告書も、親竹を伐るのは、タケノコが育つ春から初夏を避けるのが望ましいとしています。

一方、竹を全部なくすための伐採は考え方が違います。香川県の指針は、伐った竹を使わないなら夏に全部伐る方法を紹介しています。くわしくは竹を枯らす方法と竹を伐る時期と、自分で伐る手順・道具にまとめています。

作業はどんな順番で進める?

整備は「目標を決める → 竹林を調べる → 枯れ竹・古い竹を伐る → 本数をそろえる → 片付ける」の順に進めます。

香川県の「竹林の整備と利用の課題と進め方」と施業指針をもとにした順番です。

  1. 目標を決める:竹林として使うのか、森に戻すのか(この記事の最初の見出し)。
  2. 竹林を調べる:前は何の林だったか、地形と傾斜、竹や木の本数・高さ・太さ、地面に草が生えているか、林の中の明るさを見ます。
  3. 枯れた竹・倒れた竹・病気の竹・古い竹を伐る:香川県の指針が、竹林を良くするための最初の要点に挙げています。森林総合研究所の冊子でも、枯れた竹のほうが軽く、生きた竹より作業がはかどったとしています。
  4. 混じっている雑木を整理する:指針は、スギやヒノキはある程度残したほうが風の害を防げるとしています。
  5. 本数をそろえる:細い竹を伐り、若い太い竹を目安の本数だけ残します。
  6. 伐った竹を片付ける:林の中に積む、運び出す、チップにする、のどれかです。

竹は1本で数十kgあり、人の力で扱うのは重労働です(林野庁 報告書)。道具の使い方や倒す向きは竹を伐る時期と、自分で伐る手順・道具を見てください。

皆伐したあとに気をつけること

皆伐したあとは、細い竹がたくさん再生するので、何年も刈り払いと見回りが必要です。

香川県の指針は、マダケ林を皆伐したあと、100㎡あたり756本という、もとの林の10倍の新しい竹が出たという報告を紹介しています。出た竹は細くなりました。森林総合研究所の冊子も、伐ったあとの再生竹は1haあたり数万本になることもめずらしくないとしています。

森林総合研究所の冊子には、次のような注意もあります。

  • 伐った竹を林の中に棚のように積むと、その下から竹が生えて取りにくくなる。棚が刈り払いのじゃまにならないほど腐るまでに10〜12年かかった。
  • 竹を全部伐って広葉樹を植えた所では、刈り払いを年2回、7年ほど続けた現場で、ほぼ竹がなくなった。
  • 刈り払いを省いた現場では、13年後に竹が半分ほどに戻った。

皆伐のあとの1年ごとの作業は竹の駆除の進め方(年間の流れ)にまとめています。伐った竹の片付けは伐った竹の処分方法を見てください。

竹林整備には、県や市町村の補助金が使える場合があります。たとえば群馬県の「ぐんま緑の県民基金市町村提案型事業」は、団体が行う竹林の間伐と全伐で、1haあたりの上限額を分けて決めています。お住まいの地域の制度は竹林の補助金・貸出で探せます。探し方は竹林伐採の補助金の探し方にまとめています。

よくある質問

竹林の間伐では、1haあたり何本残せばよいですか?
林野庁の報告書では、竹材をとる大径のマダケ林は1haあたり6,000本程度、タケノコと竹材の両方をとるモウソウチク林は4,000〜5,000本程度、タケノコだけなら2,000〜3,000本程度で管理されています。香川県の指針では、タケノコ林は10アールあたり150〜300本が基準です。
どの竹から伐ればよいですか?
枯れた竹、病気の竹、古い竹から伐ります。香川県の指針は、マダケやモウソウチクでは3〜4年生が伐るのに最もよい年齢で、5〜6年以上の古い竹は取り除き、細い竹を伐って若い太い竹を残すとしています。
竹林整備に向いている時期はいつですか?
竹林を残して手入れする場合は、香川県の指針が10月上旬〜12月上旬を適期としています。林野庁の報告書も、親竹を伐るのは春から初夏を避けるのが望ましいとしています。竹林をなくすための伐採は時期の考え方が違います。

出典

数字は上の資料の原文で確かめています(調べ方)。

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