黒竹(クロチク)

公開 2026年10月20日 更新 2026年10月20日

この記事の結論

  • 黒竹(クロチク)は、2年目以降に表皮や地下茎が黒くなる竹で、観賞用や竹細工に好まれます。
  • 細い竹でも、地下茎で広がる性質はほかの竹と同じです。狭い花壇でも、何十年かで地下茎が全体に広がった例があります。
  • 地面に植えるなら、根止めを入れます。香川県の指針では、ゴムシートなら深さ1m、波板トタンなら50cmほど埋め、地上に10cmほど出します。
  • 増えすぎたら、地際から伐り続けるか、範囲が狭ければ地下茎を掘り取ります。

黒竹の特徴

黒竹は、2年目以降に稈(幹)が黒くなる竹で、ハチクの変種とされています。

項目 内容 出典
色 2年目以降に表皮や地下茎が黒く変色する。名前の由来 農林水産省 aff
使い道 稈の美しさから、竹細工や観賞用に好まれる 農林水産省 aff
分類 ハチクの変種とされる 樹木医学研究 2023
花 ハチクと同じような周期で咲くと推測されている。2021年に鳥取県で一斉開花 樹木医学研究 2023
屋上緑化での使用 実用上の使用例が多いタケ類として、防水層の耐根性試験に使われた 日本建築学会技術報告集 2019

林野庁は、主な竹の種類のほかの例として黒竹を挙げています。一般的な大きさの数字は、この記事では公的な資料で確かめられなかったため載せていません。参考として、鳥取県林業試験場の玄関わきの花壇で育つ黒竹(植えてから42年)は、根元の直径の平均が9.5mm、高さの平均が205cmでした(樹木医学研究 2023)。

ほかの竹との見分け方は竹の種類と見分け方にまとめています。

黒竹も地下茎で広がる

黒竹も、地下茎を伸ばして新しい竹を出し、植えた場所の外へ広がります。

竹は毎年、地下茎の節にある芽から新しい竹を出します。地下茎が1年に5m伸びた記録もあります(林野庁「竹の性質」)。この数字は竹全体についてのもので、黒竹で測った数字ではありません。

黒竹の例では、鳥取県林業試験場の幅50cm・長さ450cmの花壇に、竹が114本(1m²あたり50.7本)、切り株が284本ありました。報告は、花壇全体にまんべんなく地下茎が張り巡らされていたとしています(樹木医学研究 2023)。細い竹でも、何十年かたつと植えた場所いっぱいに広がります。

となりの家に地下茎が入ると、民法233条4項により、となりの人はその根を切り取ることができます。枝の扱いを含めたルールは隣の家の竹が越境してきたときにまとめています。

植えるときの根止め

地面に植えるなら、植える前に根止めの板やシートを埋めておきます。

香川県の指針は、竹林が広がらないようにする方法として、次の深さを挙げています。

材料 埋める深さ 地上に出す高さ
コンクリートの壁(幅10〜15cm) 深さ1m 10cmほど
ゴムシート(厚さ1.5〜2mm) 深さ1m 10cmほど
波板トタン 50cmほど 10cmほど

地下茎は地面の上をはうこともあるので、上の端は地面から10cmほど出します(香川県)。森林総合研究所の冊子は、地下茎の先はとがっていてすき間があれば入ってくること、継ぎ目や底から入りやすいことを書いています。継ぎ目はしっかり重ねて密着させ、溝の底は締め固めます。それでも完全に防ぐのは難しいので、毎年、根止めの外に竹が出ていないか見回ります。

竹林では地表から30cmほどまでに地下茎が集まります(香川県「竹林整備の必要性」)。ただし森林総合研究所は、土が深い所ではもっと深く伸びることもあるとしています。

市販の防竹シートを使う場合は、深さと継ぎ目の重ね方をメーカーの施工説明で確かめてください。根止めの詳しいやり方は竹の根の止め方・抜き方を見てください。鉢やプランターで育てる場合の注意は竹を庭や鉢に植えるときにまとめています。

屋上やベランダに植えるとき

屋上やベランダに植えるときは、防水層を地下茎が突き破らないかに注意します。

屋上緑化の防水について調べた報告では、竹は草や木より防水層に大きな傷をつけると考えられていて、標準の試験に合格した防水でも、竹を使った試験では半年で地下茎が貫通して不合格になった例が紹介されています。そのため日本建築学会の試験法の解説には、竹類を使う場合は竹で直接試験することが望ましいと書かれました(日本建築学会技術報告集 2019)。この報告では、実際に使われることの多い竹として黒竹とダイミョウチクが試験に使われています。

建物の上に植える場合は、防水の仕様が竹に対応しているかを、建物の管理者や施工業者に確かめてください。

増えすぎたときの対処

増えすぎた黒竹は、地際から伐り続けるか、範囲が狭ければ地下茎を掘り取ります。

方法 やり方 注意
伐り続ける 8月上旬に残った竹を全部地際から伐り、1か月後にまた出た竹を伐る(香川県の指針) 地下茎は少しずつ弱る。数年続ける
地下茎を掘り取る 地表近くの地下茎を掘り起こして切り取る 少しでも残るとまた出る
根止めを後から入れる 残したい範囲のまわりに根止めを埋める 内側に残った地下茎から出る竹は伐る
除草剤 竹類に登録のある除草剤を、ラベルの方法で使う 庭木・家庭菜園・となりの土地への影響に注意

香川県の指針は、地上の竹をすべてなくすと地下茎もだんだん枯れてくるとしています。出てきた竹が小さくても、地際から伐ります。森林総合研究所の冊子は、小さな竹でも葉は十分についていて、放っておくと地下茎に栄養をためると書いています。

全部なくすのではなく本数を保ちたい場合は、古い竹を伐ります。鳥取県林業試験場の花壇では、黒い色があせた竹や倒れた竹を伐る程度の手入れをしていました(樹木医学研究 2023)。

除草剤は、農薬取締法により、ラベルに書かれた作物・場所・使用量・使用方法の範囲でしか使えません。庭で使える製品か、竹類が対象に入っているかを確かめてください。製品ごとの登録内容は竹に使える除草剤にまとめています。森林総合研究所の試験では、塩を切り株に注入したり竹林にまいたりしても竹は変わらず、まわりのシダなどの草だけがほとんどなくなりました。くわしくは塩や灯油で竹を枯らしてはいけない理由を見てください。

伐り続ける方法の詳しい流れは竹を枯らす方法を見てください。

黒竹の花

黒竹はハチクと同じような周期で咲くと推測されていて、2021年に鳥取県で一斉に咲きました。

鳥取県林業試験場の花壇の黒竹は、2021年4月にすべての竹で花かつぼみが見られました。花が咲いた竹は一見枯れたように見えましたが、2022年9月の時点で約25%が生き残っていました。採った7,893個の実のうち中身が入っていたのは31個で、そのうち7個が芽を出しました。花壇には背の低い新しい竹が435本出て、2022年9月時点で平均の長さ約24cm、根元の直径2mmで花壇全体をおおっていました(樹木医学研究 2023)。

庭の黒竹に花が咲いたら、枯れた竹を伐って片付けます。ハチクの開花と枯死について詳しくは竹の花を見てください。

よくある質問

黒竹はなぜ黒いのですか?
2年目以降に表皮や地下茎が黒く変色するためです。名前もこれに由来します(農林水産省 aff)。
黒竹を庭に植えても広がりませんか?
黒竹も地下茎で広がる竹です。鳥取県林業試験場の幅50cm・長さ450cmの花壇では、42年で花壇全体に地下茎が張り巡らされていました。植えるときは根止めを入れます。
黒竹の根止めはどれくらいの深さにしますか?
香川県の指針は、コンクリートの壁やゴムシートは深さ1m、波板トタンは深さ50cmほど埋め、地上に10cmほど出すとしています。継ぎ目や底から入りやすいので、すき間なく施工します。
黒竹が増えすぎたらどうすればいいですか?
地上の竹を地際から伐り続けると地下茎が弱ります。香川県の指針は、8月上旬に全部伐り、1か月後にまた出た竹を伐る方法を紹介しています。範囲が狭ければ地下茎を掘り取る方法もあります。

出典

数字は上の資料の原文で確かめています(調べ方)。

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