竹を枯らす方法
公開 2026年10月20日 更新 2026年10月20日
この記事の結論
- 竹は伐っても地下茎が生きているので、また生えてきます。枯らすには地下茎を弱らせるか、除草剤で枯らす必要があります。
- 伐って枯らすなら、夏に伐り、出てきた竹を地際からくり返し伐ります。年2回の刈り払いを7年続けて、ほぼ竹がなくなった調査があります。
- 「1m切り」(1mの高さで伐る方法)は、森林総合研究所の試験では周りから竹が生えてきました。これだけで竹林はなくなりません。
- 除草剤は、竹類に登録のある製品を竹1本ずつ注入する方法などがあります。半年ほどで枯れます。
- 塩・石灰・灯油は使いません。塩と石灰は試験で効果がありませんでした。
竹は伐っただけでは枯れない
竹は、地上の竹を伐っても地下茎が生きているため、翌年また新しい竹が生えてきます。
竹は毎年、地下茎の節にある芽から新しい竹を出します(林野庁「竹の性質」)。林野庁の報告書は、伐ったあとでも地下茎に養分がたまっているので新しい竹が生え、毎年伐り続けても伐採後6年目にかなりの数の竹が生える場合があると書いています(「竹の利活用推進に向けて」)。
森林総合研究所の冊子も同じ結果です。毎年1回刈り払いを続けても、伐採から6年目でまだ1ヘクタールあたり5,000〜10,000本の新しい竹が生えていました。4年目以降は減る傾向がありましたが、竹は豊作の年と不作の年をくり返すため、少ない年の翌年にまた多く出ることもあります(森林総合研究所「放置竹林の把握と効率的な駆除技術」)。
小さな竹でも葉はたくさん付いています。放っておくと光合成で地下茎に養分をためるので、小さい竹も見逃さずに伐ることが大切です。冊子は、小さい竹は枝が低い位置から出るので、地際から刈らないと再生すると書いています。
枯らすために伐るなら夏、竹を使うなら晩秋から冬
竹を枯らすことが目的なら、香川県の指針は夏に伐る方法を紹介しています。
香川県の「竹林整備のための施業指針」は、いらない竹林を整理する方法として次の手順を挙げています。
- 竹を材として使う場合は晩秋から冬に、使わない場合は夏に、全部伐る
- 残す竹林ととなり合う所は、境目の地下茎を切っておく
- 春に出たタケノコは取る
- 8月上旬に残っている竹をすべて地際から伐る
- 1か月後にまた出た竹を伐り、地上の竹をなくすと、地下茎もだんだん枯れてくる
一方、竹を材として使うための伐採は、晩秋から初冬が適期とされています(林野庁「竹の性質」)。香川県の指針も、竹材を取る竹林では10月から12月ごろを伐る適期としています。これは竹を育てて使うための時期で、竹を減らしたいときの時期とは目的が違います。
いつ伐るかを決めたら、道具や手順は竹を伐る時期と、自分で伐る手順・道具を見てください。
「1m切り」で竹林はなくならない
地面から約1mの高さで伐る「1m切り」は、切り株は枯れても、周りから新しい竹が生えてきます。
森林総合研究所の冊子は、「竹を1mの高さで高切りすると効果があると聞くことがある」として、実際に試験をしています。地際から1mの高さで伐った場合と、地際で伐った場合を比べたところ、どちらも切り株は枯れましたが、周りからは新しい竹が生えてきました。冊子の裏表紙には、石川県志賀町で1mの高さで伐ったあと、1年後と1年8か月後に竹が再生している写真が載っています。
冊子は、1m切りの利点として「ひざをつかずに伐れる」ことを挙げています。ただし、残した切り株がそのあとの刈り払いのじゃまにならないかを考えてから行うよう書いています。冊子のコスト比較でも、1m切りは「効果がないことが実証された」として扱っていません。
伐り続けると何年かかるか
伐り続けて竹をなくすには、年2回の刈り払いを7年ほど続けた例があります。何年で終わるとは決まっていません。
森林総合研究所の冊子は、愛媛県松山市で竹を全部伐ったあとの現場を調べています。
- 広葉樹を植えたあと、刈り払いを年2回、7年間続けた現場では、ほとんどの所でほぼ竹がなくなりました。
- 刈り払いを省いた現場では、13年後に竹の割合が50%(地上部の重さで比べた割合)に戻っていました。
冊子は「何年(何回)で完了する」と決めつけず、そのあとも見回りが欠かせないとしています。竹林の一部だけを伐った場合は、残った竹から地下茎が伸びてくるので、再生する力はより強いと考えられるとも書いています。
伐った竹の置き方にも注意があります。伐った竹を林の中に積んでおくと、その下から竹が生えて取りにくくなります。冊子は、竹をなくしたいなら積まずに運び出すか、チップにするよう書いています。伐った竹の片付け方は伐った竹の処分方法にまとめています。竹を砕く機械は、市町村が貸し出していることがあります(竹粉砕機の貸出)。
除草剤を注入して枯らす方法
除草剤を使う場合は、竹類に登録がある製品を、竹1本ずつに注入するか、決められた量を土にまきます。
竹を枯らす目的で登録がある除草剤は、グリホサート系と塩素酸系です(林野庁「竹の利活用推進に向けて」)。森林総合研究所の冊子は、方法ごとに次のように書いています。
| 方法 | やり方 | 量の目安(ラベルの範囲) | 時期 | 枯れるまで |
|---|---|---|---|---|
| 竹稈注入 | 立っている竹に穴を開け、グリホサート系の原液を入れて穴をふさぐ | 1本 5〜15ml(製品で違う) | 夏〜秋 | 半年程度 |
| 切株注入 | 伐ったあとの切り株に穴を開けて注入。伐採後1か月以内 | 1本 5〜15ml(製品で違う) | 夏〜秋 | 再生をおさえる |
| 節間投入 | 竹に穴を開け、塩素酸系の粒剤を入れる | 1本 10〜20g | 竹の生育期 | 半年程度 |
| 土壌散布 | 塩素酸系の粒剤を竹林の地面にまく | 10aあたり 45〜60kg | 竹の生育期 | 半年程度 |
ラウンドアップマックスロードを作る日産化学のページでは、6〜8月に注入した場合は葉が全部落ちるまで2〜5か月、9〜11月の場合は8〜11か月としています(日産化学「雑草別の使い方」)。
枯れた竹は、雪や風で倒れる危険があります。冊子は、枯れた竹は早めに伐るよう書いています。
注入した竹から15m以内に出たタケノコは食べてはいけません。これはラベルに書かれた注意です。製品ごとの登録内容、使える場所、周りへの注意は竹に使える除草剤で表にしています。
方法ごとの手間と費用の目安
伐り続ける方法は除草剤より費用がかかり、期間も長くなります。森林総合研究所が広い竹林(1ヘクタール)で試算した数字は次のとおりです。
| 方法 | 試算した費用 | 注意 |
|---|---|---|
| 伐ったあと再生竹を伐り続ける | 皆伐から4年目までで157〜230万円 | 5年目以降も再生するので、さらに増える |
| 竹稈注入+枯れた竹の伐採 | 約109万円 | 再生竹が出れば、その分が上乗せ |
| 切株注入+伐採 | 約133万円 | 伐った竹が注入のじゃまになる |
| 土壌散布+枯れた竹の伐採 | 約113万円 | 再生竹が出れば、その分が上乗せ |
これは森林での作業を前提にした試算で、機械を運ぶ費用は入っていません。庭や空き家の竹を業者に頼むときの費用は、竹の伐採を業者に頼んだときの費用を見てください。冊子は「コストが安いから」ではなく、周りの状況に合わせて方法を選ぶことが大切だとしています。
塩・石灰・灯油は使わない
塩や石灰を入れても竹は枯れず、灯油は除草剤として登録されていないので使いません。
森林総合研究所の試験では、竹を伐ったあと、食塩と生石灰の水溶液を切り株に入れ、翌年に地下茎を調べました。どちらの地下茎も黄土色でみずみずしい状態でした。立っている竹に濃い食塩水を入れても、色が変わったり葉が落ちたりしませんでした。食塩をまいた竹林では、竹は変わらず、シダなどの下草だけがほとんどなくなりました。
灯油や塩は、農薬として登録されていません。農薬取締法は、登録のない農薬を使うことを禁じています(第24条)。草木を枯らす目的でこれらを使うと、法律に触れるおそれがあります。灯油は火事や土・水の汚れにもつながります。除草剤を使うなら、ラベルに「竹類」の登録がある製品を、ラベルどおりに使ってください。
自分でやるか、業者に頼むか
竹が数本から十数本なら、伐り続ける方法や注入を自分で行えます。広い竹林、太い竹が密に生えている所、斜面や家の近くは、作業が重く危険も増えます。
決めるときは次の点を見てください。
- 竹の本数と太さ。モウソウチクは太く、伐るのも運ぶのも大変です。
- 伐った竹を運び出す道と置き場所があるか。
- 夏から秋に、毎年伐りに行けるか。
- となりの家や道路、電線に倒れる心配がないか。
費用を補助したり、竹を砕く機械を貸したりする市町村もあります。竹林整備の補助金・貸出で、住んでいる地域を確かめてください。となりの竹が入ってきて困っている場合は隣の家の竹が越境してきたとき、地下茎を止めたい場合は竹の根の止め方・抜き方にまとめています。
よくある質問
- 竹は一度伐れば枯れますか?
- 枯れません。地下茎が生きているので、伐ったあとも新しい竹が生えてきます。森林総合研究所の試験では、毎年1回刈り払いを続けても、伐採から6年目に1ヘクタールあたり5,000〜10,000本の新しい竹が生えていました。
- 1m切り(1mの高さで伐る方法)で竹は枯れますか?
- 森林総合研究所の試験では、1mの高さで伐った切り株は枯れましたが、周りから新しい竹が生えてきました。地際で伐った場合と同じで、竹林をなくす効果は確かめられていません。
- 竹を枯らすために伐るなら、いつがよいですか?
- 香川県の竹林整備の指針は、竹を使わないなら夏に全部伐り、8月上旬に残りを地際から伐り、1か月後に出た竹もまた伐る方法を紹介しています。竹を材として使うなら晩秋から冬に伐ります。
- 竹がなくなるまで何年かかりますか?
- 決まった年数はありません。愛媛県松山市の調査では、年2回の刈り払いを7年間続けた現場でほぼ竹がなくなりました。刈り払いをやめた現場では13年後に竹が戻っていました。
- 塩や灯油で竹を枯らせますか?
- 勧めません。森林総合研究所の試験では、塩や石灰を切り株に入れても地下茎は枯れず、塩をまいた所では下草が消えました。灯油は除草剤として登録がなく、火事や土の汚染のおそれがあります。
出典
- 竹の性質(林野庁)
- 「竹の利活用推進に向けて」報告書 平成30年10月(林野庁)
- 広がる竹林をどうしよう?という時に 放置竹林の把握と効率的な駆除技術(森林総合研究所 関西支所、2018年)
- 竹林整備のための施業指針(香川県 参考資料1)
- 竹林の整備目標(香川県)
- ラウンドアップマックスロード 雑草別の使い方(日産化学)
- 農薬登録情報提供システム(農林水産省)
数字は上の資料の原文で確かめています(調べ方)。