竹に使える除草剤
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公開 2026年10月20日 更新 2026年10月20日
この記事の結論
- 竹に使えるのは、農薬登録の適用雑草に「竹類」がある製品だけです。2026年10月20日に農林水産省の農薬登録情報で調べると32製品ありました。
- グリホサート系の液剤は、竹に穴を開けて原液を注入します。量は1本5〜20mlの範囲で、製品ごとに決まっています。時期は夏、または夏〜秋です。
- 塩素酸塩系の粒剤は、地面にまくか、竹に穴を開けて粒のまま入れます。
- 注入した竹から15m以内に出たタケノコは食べません。ラベルにない使い方や、灯油・塩などは使いません。
- 家庭菜園・水路・となりの庭木の近くでは、まく方法を避け、注入でも周りにこぼさないようにします。
竹に使える除草剤は2種類
竹類に登録がある除草剤は、グリホサート系の液剤と、塩素酸塩系の粒剤の2種類です。
林野庁の報告書も、竹を枯らす目的の除草剤として、グリホサート系と塩素酸系が登録されていると書いています(林野庁「竹の利活用推進に向けて」)。農林水産省の農薬登録情報提供システムで、病害虫・雑草を「竹類」にして検索すると、2026年10月20日時点で32件が出てきました。内訳は次のとおりです。
- グリホサート系:29製品(うち1製品は、ピラフルフェンエチルとの混合の水和剤)
- 塩素酸塩系の粒剤:3製品
ふつうの草にまく除草剤でも、適用雑草に「竹類」がなければ竹には使えません。買う前に、ラベルの適用表に「竹類」があるかを見てください。
登録のある製品と使い方の一覧
製品ごとに、1本あたりの量、時期、使える場所が違います。農薬登録情報の内容を、同じ条件の製品ごとにまとめました。
| 製品名(登録番号) | 使用方法 | 量 | 時期 | 適用場所 |
|---|---|---|---|---|
| ラウンドアップマックスロード(21766) | 竹稈注入(原液) | 1本 5〜10ml | 夏〜秋期 | 林地、放置竹林、畑地 |
| タッチダウンiQ(22161) | 竹稈注入(原液) | 1本 5〜15ml | 夏〜秋期 | 林地、放置竹林、畑地/公園、庭園、堤とう、駐車場、道路、運動場、宅地、のり面、鉄道等 |
| ネコソギクイックプロFL(21593) | 竹稈注入(原液) | 1本 10〜20ml | 夏〜秋期 | 林地、放置竹林、畑地 |
| クサクリーン液剤(19929)、マルガリーダ(20389)、キャピタルグリホサート41%(21241)、マイター液剤(21430)、カルナクス(21941)、草枯らしMIC(22449)、ホクサンクサトリキング(22580)、クサクリア(22939)、CBCグリホス液剤(24109)、カレター(24358)、草刈りサクサク原液(24571) | 竹稈注入(原液) | 1本 5〜15ml | 夏〜秋期 | 林地、放置竹林、畑地 |
| クサブロー(19688)、フリーパス(19689)、ターンアウト液剤(20161)、草ノコラーズ(20333)、クサトローゼ(21203)、グリホキング(21233)、クサトリーナ(22663)、ネコソギプロ液剤(22956)、GFターンアウト液剤(24540) | 竹稈注入(原液) | 1本 5〜15ml | 夏〜秋期 | 林地、放置竹林 |
| グリホエキス液剤(18813)、サンフーロン液剤(18814)、エイトアップ液剤(18815)、ハイ-フウノン液剤(20995)、コンパカレール液剤(20997)、ハーブ・ニート液剤(20998) | 竹稈注入(原液)、1回 | 1本 5〜10ml | 夏期 | 林地、放置竹林 |
| クロレートS(11912)、クサトールFP粒剤(7449) | 節間に穴を開けそのまま投入 | 1本 10〜20g | 竹類生育期 | 林地、放置竹林 |
| 同上 | 全面土壌散布、1回 | 10aあたり 45〜60kg | 竹類生育期 | 林地、放置竹林(すぎ・ひのき)/公園、堤とう、駐車場、道路、運動場、宅地、のり面等(植栽地を除く樹木等の周辺地) |
| デゾレートAZ粒剤(23761) | 植栽地を除く樹木等の周辺地に全面土壌散布、1回 | 10aあたり 45〜60kg | 生育期 | 公園、堤とう、駐車場、道路、運動場、宅地、のり面等 |
グリホサート系の竹類の登録は、すべて竹に注入する方法です。葉にかける散布の登録は、竹類にはありません。登録は変わることがあるので、使う前に手元の製品のラベルで確かめてください。
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庭の竹なら「適用場所」を確かめる
ラベルの「適用場所」に、竹が生えている場所が当てはまるかを確かめます。
多くのグリホサート系製品の竹類の適用場所は「林地、放置竹林」または「林地、放置竹林、畑地」です。表の中で、竹稈注入の適用場所に「庭園」「宅地」が書かれていたのはタッチダウンiQでした。塩素酸塩系の3製品には、宅地などで植栽地を除く樹木の周りの地面にまく登録があります。
自宅の庭や空き家の敷地が、ラベルの適用場所に当てはまるか迷うときは、製品のメーカーの相談窓口か、都道府県の病害虫防除所に聞いてください。
注入のやり方(ラベルと公的資料の手順)
注入は「穴を開ける、薬を入れる、穴をふさぐ」の3つの作業です。
日産化学のページでは、ラウンドアップマックスロードの注入方法を次のように説明しています(日産化学「雑草別の使い方」)。
- 節から2〜3cm下に穴を開ける
- 原液10mlを穴から注入する
- 穴をガムテープなどでしっかりふさぐ
森林総合研究所の冊子は、伐ったあとの切り株に注入する方法も紹介しています。伐ってから1か月以内に、切り株1本に5〜15ccを注入します。電動ドリルで地際にやや下向きの穴を開け、注入したらコルク栓や木の栓でふさぎます(森林総合研究所「放置竹林の把握と効率的な駆除技術」)。
塩素酸塩系の粒剤を竹に入れるときは、ドリルで穴を開け、じょうごなどで粒のまま入れ、コルク栓などでふさぎます(エス・ディー・エス バイオテック「クロレートS」農薬要覧)。
枯れるまでの期間
注入した竹は、夏に処理すれば数か月、秋だと1年近くかかります。
日産化学のページでは、6〜8月に注入した場合は葉が全部落ちるまで2〜5か月、9〜11月の場合は8〜11か月としています。森林総合研究所の冊子では、グリホサート系の注入、塩素酸塩系の投入・土壌散布のどれも、半年程度で枯れるとしています。
枯れた竹は雪や風で倒れる危険があるので、早めに伐ります。注入した竹の地下茎から、また竹が出てくることもあります。そのあとの見回りや伐り方は竹を枯らす方法を見てください。
農薬取締法で守ること
除草剤は、ラベルに書かれた作物・場所・量・時期・方法・回数の範囲で使います。
- 農薬取締法第24条は、登録の表示がある農薬など以外の農薬を使うことを禁じています。
- 第25条第3項は、国が定めた基準に反して農薬を使うことを禁じています。第24条や第25条第3項に違反した場合の罰則は、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(第47条)。条文は、2026年7月1日施行の版をe-Gov法令検索で確認しました。
- その基準を定めた省令は、食用の作物に使うときは、ラベルの作物以外に使わない、量・時期・回数を守ることなどを求めています(第2条)。住宅や学校、公園などの近くで使うときは、薬が飛び散らないようにすることを求めています(第6条)。
竹類の登録があるグリホサート系の製品のラベルには、注入した竹から15m以内に出たタケノコを食べないこと、縄囲いや立て札でタケノコが採られないようにすることが書かれています。タケノコを採る竹林や、となりの人がタケノコを採る所では、使う前に話し合ってください。
灯油・塩・竹酢液などは、竹を枯らす農薬として登録されていません。除草に使うと、第24条に触れるおそれがあります。森林総合研究所の試験では、塩や石灰を入れても地下茎は枯れず、塩をまいた所では下草が消えました。灯油は火事の危険もあります。
個別の状況で法律に当たるか判断に迷うときは、都道府県の病害虫防除所や農薬の担当課に相談してください。
周りの植物・水路・家庭菜園への注意
まく方法は周りへの影響が大きいので、畑や庭木の近くでは注入を選び、こぼさないようにします。
| 種類 | 注意 |
|---|---|
| グリホサート系 | 農作物や有用植物に薬液が付くと激しい薬害が出る。水田に飛んだり流れ込んだりすると稲に薬害が出る。水源池や養殖池に飛ばしたり流れ込ませたりしない。土が流れたり崩れたりするおそれのある所では使わない(クサトリーナ要覧) |
| 塩素酸塩系 | 樹木などの植栽地に流れ込んだり飛んだりするおそれのある所では使わない。役に立つ植物の根が広がっていそうな所では使わない。水源池や飲み水に飛ばさない、流れ込ませない(クロレートS要覧) |
| 塩素酸塩系 | 油類や木・繊維などの燃えやすい物と混ぜると危険なので、一緒に保管しない。雨の日や雨が予想されるときは使わない(クロレートS要覧) |
| 塩素酸塩系 | 開こん地や林地の地ごしらえ、休耕田に使った場合、散布後3か月は木や作物を植えたり種をまいたりしない(クロレートS要覧) |
家庭菜園のそばでは、粒剤を地面にまく方法は使わないほうが安全です。竹の根は広く伸びるので、竹から離れた所の作物や庭木に影響が出ないか、ラベルの注意をよく読んでください。
森林総合研究所が竹林で調べた結果では、塩素酸塩系をまいた土の成分は早く分解し、川の水からは検出されませんでした。グリホサート系を注入した竹林では、細い根からわずかに検出され、落ち葉・土・川の水からは検出されませんでした。これは決められた量を正しく使った試験の結果です。
竹が多い、斜面にある、家や畑が近いといった場合は、伐ってから地下茎を止める方法も考えてください(竹の根の止め方・抜き方)。
よくある質問
- 竹を枯らせる除草剤はどれですか?
- 農薬登録で適用雑草に「竹類」がある製品です。2026年10月20日時点で32製品あり、グリホサート系の液剤(竹に穴を開けて原液を注入)と、塩素酸塩系の粒剤(地面にまく・竹に穴を開けて入れる)に分かれます。
- グリホサート系の除草剤は竹1本にどれくらい入れますか?
- 製品によって違い、1本あたり5〜10ml、5〜15ml、10〜20mlのいずれかです。ラベルに書かれた量の範囲で使います。モウソウチクには多めの量が望ましいと書いた要覧もあります。
- 除草剤を注入した竹のタケノコは食べられますか?
- 食べられません。ラベルには、注入した竹から15m以内に出たタケノコを食用にしないこと、縄囲いや立て札で採られないようにすることが書かれています。
- 竹にまいて枯らす除草剤はありますか?
- グリホサート系の竹類の登録は竹への注入だけです。塩素酸塩系の粒剤には、10aあたり45〜60kgを地面にまく登録があります。葉にかける散布の登録は、竹類にはありません。
- 灯油や塩を竹に入れてもいいですか?
- 勧めません。灯油や塩は農薬として登録がなく、除草に使うと農薬取締法に触れるおそれがあります。森林総合研究所の試験では、塩を入れても地下茎は枯れませんでした。
出典
- 農薬登録情報提供システム 病害虫・雑草「竹類」で検索(農林水産省、2026年10月20日確認)
- ラウンドアップマックスロード 登録内容(農薬登録情報提供システム)
- タッチダウンiQ 登録内容(農薬登録情報提供システム)
- クロレートS 登録内容(農薬登録情報提供システム)
- ラウンドアップマックスロード 雑草別の使い方(日産化学)
- ラウンドアップマックスロード 適用表(日産化学)
- クロレートS 農薬要覧(エス・ディー・エス バイオテック)
- クサトリーナ 農薬要覧(エス・ディー・エス バイオテック)
- 広がる竹林をどうしよう?という時に 放置竹林の把握と効率的な駆除技術(森林総合研究所 関西支所、2018年)
- 農薬取締法(e-Gov法令検索)
- 農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令(e-Gov法令検索)
数字は上の資料の原文で確かめています(調べ方)。