竹を伐る時期と、自分で伐る手順・道具
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公開 2026年10月20日 更新 2026年10月20日
この記事の結論
- 竹を伐るのに向くのは秋から冬です。香川県の指針は10月〜12月ごろを適期とし、林野庁の報告書は春から初夏を避けるのが望ましいとしています。
- 本数が少なく細い竹なら竹用のこぎりで足ります。チェーンソーは安全に使える人だけにします。
- 太い竹は、倒したい側に受け口を作ってから反対側を切ります。根元が運び出す方向を向くように倒します。
- 竹は重く、縦に割れやすく、ほかの竹に引っかかりやすい植物です。ヘルメット・保護メガネ・手袋を着け、2〜3人で作業します。
- 斜面・電線の近く・家に倒れそうな竹は、自分で伐らずに業者や電力会社に相談します。
竹を伐るのに向いている時期はいつ?
竹を伐るのに向くのは秋から冬で、香川県の指針では10月〜12月ごろが適期とされています。
香川県の「竹林整備のための施業指針」は、竹材をとる竹林について次のように説明しています(参考資料1 竹林整備のための施業指針、香川県)。
- 夏は竹がさかんに光合成をし、地下茎もよく伸びる時期なので、夏に伐るのは避けたい
- 10月上旬から12月上旬に伐るのが望ましい
- 10月から12月ごろは竹の幹の水分が50〜60%に下がり、虫がつきにくく、地下茎にためる養分も多くなる
林野庁の報告書も、親竹を伐るのは「春から初夏以外の時期」が望ましいとしています。この時期は、地面の下でたけのこが育ち、出てきた竹が成長する時期だからです(「竹の利活用推進に向けて」報告書、林野庁)。
ここまでは、竹林を残して竹材やたけのこをとる場合の考え方です。竹林をなくしたいときは、考え方が少し変わります。藤枝市は、4〜5月に出る若竹を刈る取り組みを紹介しています。若竹はやわらかく、なたやのこぎり、手や足でも簡単に倒せます。若竹を刈り続けて竹林の勢いを弱めるのがねらいです(藤枝市の放置竹林対策)。竹を枯らしたい人は 竹を枯らす方法 も読んでください。
| 目的 | 伐る時期の目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 竹林を残し、竹材をとる | 10月上旬〜12月上旬 | 香川県 施業指針 |
| 親竹を間引く | 春から初夏以外 | 林野庁 報告書 |
| 竹林の勢いを弱める | 4〜5月に若竹を刈る | 藤枝市 |
のこぎりとチェーンソー、どちらを使う?
細い竹を数本伐るだけなら、竹用ののこぎりで足ります。丹波篠山市のマニュアルは、安全に使えるならチェーンソー、難しければ無理をせずにレシプロソー(電動のこぎり)や竹用のこぎりを使うよう勧めています。広い竹林ではチェーンソーが早くて便利だとも書いています(竹林整備マニュアル『丹波篠山竹取物語』、丹波篠山市)。
チェーンソーを選ぶときは、厚生労働省のガイドラインが参考になります。ガイドラインは「できる限り軽量なもの」を選び、ガイドバー(刃がついた板)は伐るのに必要な長さを超えないものにするとしています(チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン、厚生労働省)。このガイドラインは仕事として伐る人向けのものですが、家の竹を伐るときにも役立ちます。
| 道具 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 竹用のこぎり | 細い竹、本数が少ないとき | 竹は重いので、倒れる向きを先に決める |
| レシプロソー(電動のこぎり) | チェーンソーを安全に使うのが難しいとき | 電源やバッテリーの準備がいる |
| チェーンソー | 広い竹林、本数が多いとき | 軽いものを選ぶ。防護ズボンなどの保護具が必要 |
仕事としてチェーンソーで木を伐る作業には、特別教育が必要です(伐木作業等の安全対策の規制が変わります!、厚生労働省)。チェーンソーの使い方に自信がなければ、のこぎりを選ぶほうが安全です。
竹を伐る手順は?
竹を伐るときは、残す竹を決め、倒す方向を決め、受け口と追い口を切って倒し、運べる長さに切り分けます。丹波篠山市のマニュアルにある手順をまとめます。
- 伐る竹に印をつける:枯れた竹、古い竹、細い竹、曲がった竹、重なった竹を選び、テープなどで印をつけます。
- 倒す方向を決める:運び出しやすいように、根元が運び出す方向を向くように倒します。
- 受け口を作る:モウソウチクのような太い竹は、30〜50kgほどになります。木と同じように、倒したい側に直径の3分の1ほどの受け口(くさび形の切り込み)を作ります。直径4cm程度のマダケのような細い竹は、受け口を作らずにそのまま伐ります。
- 追い口を切る:受け口の反対側から切り進めます。
- 倒す:竹が傾いてきたら、倒れる向きに気をつけて倒します。倒す前に周りに声をかけ、安全を確かめます。
- 運び出す:枝葉を払って幹だけにし、1〜2mの長さに切って運びます。モウソウチクのように太い竹は長さが20mになるものもあり、そのままでは運べません。
作業を始める前に、まず足元を片づけます。周りの草を刈り、枯れて倒れている竹を取り除き、通り道を作ってから伐り始めます(竹林整備マニュアル『丹波篠山竹取物語』、丹波篠山市)。
伐った竹の出し方は 伐った竹の処分方法 にまとめています。
倒す方向と、周りの人との距離は?
倒す方向は、運び出す道と反対側に梢(竹の先)が向き、根元が運び出す方向を向くように決めます(竹林整備マニュアル『丹波篠山竹取物語』、丹波篠山市)。
周りの人との距離について、厚生労働省のガイドラインは次のように定めています(チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン、厚生労働省)。
- 伐る木の高さの2倍の距離を半径とする円の内側に、伐る人以外を入れない
- 倒す前に、倒す方向と反対側の木の陰などに逃げる場所と逃げ道を決め、じゃまな枝を片づけておく
- 倒す前に合図をし、周りの人が離れたのを確かめてから倒す
丹波篠山市のマニュアルでは、マダケもモウソウチクも長さ20mほどになるとしています。家の庭でも、倒した竹が道路や隣の家、車まで届かないかを先に確かめてください。
割れる・引っかかる危険と、身につける保護具
竹は縦に割れやすく、1本で数十kgの重さがあり、倒すとほかの竹に引っかかりやすいので、保護具をつけ、引っかかった竹は無理に外さないようにします。
林野庁の報告書は、竹は「維管束に沿って割裂しやすい」と説明しています。また、竹は中が空洞で軽いといっても1本あたり数十kgあり、人の力で扱うのは重労働だとしています(「竹の利活用推進に向けて」報告書、林野庁)。丹波篠山市のマニュアルは、太めの竹は枝葉も多くて重いので、1人ではなく必ず2〜3人で作業するよう勧めています。
倒した竹がほかの竹に引っかかった状態を「かかり木」といいます。厚生労働省のガイドラインは、かかり木を外すときに次のことをしてはいけないとしています。
- 引っかかられている竹(木)を伐って、まとめて倒す
- ほかの竹(木)を倒してぶつけ、外そうとする
- 引っかかったまま根元を切って落とす
- 肩に担いで外そうとする
- 引っかかられている竹(木)に登って枝を切る
細いものなら、ロープなどで安全な方向に引いて外します。外せないときは周りに人が入らないようにして、無理をしないでください。
身につけるものは、丹波篠山市のマニュアルと厚生労働省のガイドラインをもとにまとめました。
| 保護具・服装 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| ヘルメット | 必ずかぶる。仕事用は型式検定の標章があるもの | 丹波篠山市・厚生労働省 |
| 保護メガネ・保護網 | 竹のかけらや石から目と顔を守る | 厚生労働省 |
| 手袋 | 軍手や作業用の手袋。チェーンソーは厚手のもの | 丹波篠山市・厚生労働省 |
| 長袖・長ズボン | 肌を出さない。袖口・すそが締まるもの | 丹波篠山市・厚生労働省 |
| 履物 | 運動靴か長靴。チェーンソーは保護部材入りの安全靴 | 丹波篠山市・厚生労働省 |
| 防護ズボン(チェーンソー) | JIS T8125-2 に合う、刃から脚を守るもの | 厚生労働省 |
| 耳栓(チェーンソー) | エンジンをかけている間は使う | 厚生労働省 |
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斜面・電線の近くは無理をしない
斜面、電線の近く、家や道路に倒れそうな竹は、自分で伐らずに業者などに頼むのが安全です。
林野庁の報告書は、傾斜がおおむね20度を超えると、人の移動や伐る作業がしにくくなるとしています(「竹の利活用推進に向けて」報告書、林野庁)。斜面では伐った竹が下に滑り落ちることがあり、下で作業する人や道路に届くおそれがあります。
次のような場合は、自分で伐るのはやめましょう。
- 斜面にあり、足場が悪い
- 竹が電線や電話線に触れている、または倒れると触れそうな位置にある(電力会社などに相談します)
- 家・車庫・道路の上に倒れかかっている
- 本数が多い、竹が太い、根まで抜きたい
業者に頼むときの料金の目安は 竹の伐採を業者に頼んだときの費用 で確かめてください。竹林の伐採に使える補助金や、竹粉砕機を貸し出している市町村は 竹林の補助金・貸出 にまとめています。
この記事の時期や手順は、香川県・林野庁・丹波篠山市・厚生労働省の資料に書かれた内容です。竹の種類や場所で向く方法は変わります。迷ったときは、市町村の林業・農林の担当課に相談してください。
よくある質問
- 竹を伐るのに向いている時期はいつですか?
- 香川県の竹林整備の指針では、10月〜12月ごろを伐竹の適期としています。林野庁の報告書も、親竹の伐採は春から初夏を避けるのが望ましいとしています。
- 竹を伐るのは、のこぎりとチェーンソーのどちらがよいですか?
- 本数が少なく細い竹なら竹用のこぎりで足ります。丹波篠山市のマニュアルは、安全に使えるならチェーンソー、難しければレシプロソーや竹用のこぎりを使うよう勧めています。
- 太い竹にも受け口は必要ですか?
- 丹波篠山市のマニュアルでは、モウソウチクのような太い竹は直径の3分の1ほどの受け口を作ってから伐り、直径4cm程度のマダケは受け口を作らずに伐るとしています。
- 1人で竹を伐っても大丈夫ですか?
- 丹波篠山市のマニュアルは、太めの竹は枝葉も多く重いので、1人ではなく2〜3人で作業するよう勧めています。
出典
- 竹林の整備目標(香川県)
- 参考資料1 竹林整備のための施業指針(香川県)
- 「竹の利活用推進に向けて」報告書 平成30年10月(林野庁)
- 藤枝市の放置竹林対策(藤枝市)
- 竹林整備マニュアル『丹波篠山竹取物語』(丹波篠山市)
- チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン(厚生労働省)
- 伐木作業等の安全対策の規制が変わります!(厚生労働省)
- 伐木作業・林業における安全対策(厚生労働省)
数字は上の資料の原文で確かめています(調べ方)。