竹をチェーンソーで切る

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公開 2026年10月20日 更新 2026年10月20日

この記事の結論

  • チェーンソーは竹を早く伐れますが、扱いに慣れが必要です。神戸市のマニュアルは、経験が少ない人は電動のこぎりや竹用のこぎりから始めるほうが安心だとしています。
  • 仕事として労働者にチェーンソーで伐木などをさせるには、特別教育(学科9時間・実技9時間)が必要です。
  • チェーンソーで伐木や造材をするときは、法律で防護ズボン(下肢の切創防止用保護衣)と保護帽の着用が決められています(事業者と労働者の義務)。
  • 竹は、倒す側から刃を入れると刃が挟まり、傾いた竹は裂けることがあります。太い竹は1本50kg以上になります。

竹にチェーンソーは向いている?

本数が多い竹林では作業が早くなりますが、慣れていない人には勧められていません。

神戸市のマニュアルは、伐採で作業が速いのはチェーンソーだが、取り扱いに経験が必要なので、竹林伐採の経験が少ない人は電動のこぎりや竹挽のこぎりから始めるほうが安心だとしています。道具の熟練度の表でも、チェーンソーは「高」、電動のこぎりは「中」、竹挽のこぎりは「低」に分けています(神戸市竹林管理マニュアル、神戸市)。

丹波篠山市のマニュアルも、装備は安全に使えるならチェーンソー、難しければ無理をせずレシプロソー(電動のこぎり)や竹用のこぎりを使うよう勧めています。広い竹林を整備するなら、チェーンソーが早くて便利だとしています。

日本森林技術協会の「竹林利用の手引き」は、チェーンソーは竹に傷や割れ目をつけずに切れ、機械が入れない急な斜面でも作業できる一方、1本ずつしか伐れないとまとめています。

のこぎりの選び方は 竹用のこぎりの選び方、伐る時期や基本の手順は 竹を伐る時期と、自分で伐る手順・道具 を見てください。

仕事で使うなら特別教育が必要

事業者が労働者にチェーンソーで伐木などをさせるときは、特別教育を行わなければなりません。

労働安全衛生法第59条第3項は、「事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、(中略)当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない」と定めています。その業務の一つが、労働安全衛生規則第36条第8号の「チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務」です(e-Gov法令検索。労働安全衛生法・労働安全衛生規則とも、令和8年10月1日施行の改正を反映した現行の条文で確認)。

特別教育の時間は、2020年8月1日から次のとおりです(伐木作業等の安全対策の規制が変わります!、厚生労働省)。

区分 科目 時間
学科 伐木等作業に関する知識 4時間
学科 チェーンソーに関する知識 2時間
学科 振動障害とその予防に関する知識 2時間
学科 関係法令 1時間
実技 伐木等の方法 5時間
実技 チェーンソーの操作 2時間
実技 チェーンソーの点検と整備 2時間

前の制度で特別教育を受けた人は、一部の科目が免除されます。

この規定は、事業者が労働者を働かせる場合の義務です。自分の家の竹を自分で切るだけなら対象ではありません。ただ、教育の中身は家庭の作業でも役に立ちます。竹の伐採が「立木の伐木」にあたるかは条文に書かれていないので、仕事として竹を伐る人は、労働基準監督署で確かめてください。

決められている保護具と、ガイドラインがすすめる服装

チェーンソーで伐木や造材をするときは、防護ズボンと保護帽を着けます。

労働安全衛生規則第485条は、チェーンソーで伐木や造材の作業をするとき、事業者は労働者に「下肢の切創防止用保護衣」を着けさせ、労働者も着けなければならないと定めています。第484条は、伐木などの作業で保護帽を着けることを定めています。

厚生労働省のガイドラインは、保護具を次のように選ぶよう書いています(チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン、厚生労働省)。

保護具 選び方
防護ズボン 前面に刃から脚を守る保護部材が入った JIS T8125-2 に合うもの。刃が当たって繊維が引き出されたものは使わない
安全靴 つま先・足の甲・足首・すねの前側に保護部材が入った JIS T8125-3 に合うもの
保護帽 規格に合い、型式検定の標章が貼ってあるもの。常にかぶる
保護網・保護眼鏡 木片や石の飛来から顔や目を守る
手袋 防振と防寒に役立つ厚手のもの
耳栓など エンジンをかけている間は使う
服 長袖・長ズボン。袖口とすそが締まるもの

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竹ならではの危ないところ

竹は中が空洞で縦に割れやすく、刃が挟まったり、裂けたりします。神戸市のマニュアルなどにある危険と対策をまとめました。

危険 対策 資料
刃が挟まる 倒す側から刃を入れると、切り進むうちに刃が挟まる。倒す向きと刃を入れる側を先に決める 神戸市
竹が裂ける 傾きが大きい竹は裂けることがある。段差をつけて2回に分けて伐る 神戸市
倒れた竹とぶつかる 太い竹は1本50kg以上。倒す人は声をかけて周りを確かめ、ほかの人は離れる 神戸市
太い竹が思う向きに倒れない 直径10cmを超える竹は、直径の3分の1ほどの受け口を作ってから追い口を切る 神戸市・丹波篠山市
切り株で転ぶ 中途半端な長さで残すと、あとの作業のじゃまになり、転んでけがをするおそれ。伐ったあと根元で切る 神戸市
キックバック(刃がはね返る) ガイドバーの先端の上側が竹や木に触れると、チェーンソーがはね返るおそれ 厚生労働省
枝が跳ね返る 跳ね返りそうな枝は先にのこ目を入れて力を弱める。長い枝は2回に分けて切る 厚生労働省

丹波篠山市のマニュアルは、マダケなど直径が大きくない竹(4cm程度)は受け口を作らずに直接伐るとしています。モウソウチクなど直径が大きい竹は30〜50kgほどになるとして、樹木と同じように受け口を作るよう書いています。

倒した竹がほかの竹に引っかかったとき(かかり竹)の外し方と、してはいけないことは 竹を伐る時期と、自分で伐る手順・道具 にまとめています。

作業の前に決めておくこと

チェーンソーの準備と、周りの人との約束を先に決めておきます。

  • チェーンソーの大きさ:ガイドラインは、できる限り軽いものを選び、ガイドバーは伐るのに必要な長さを超えないものにするとしています
  • 人数:神戸市のマニュアルは、伐るときは2人以上で行い、1人が伐るときにもう1人がサポートにつくよう書いています
  • 立ち入らない範囲:労働安全衛生規則第481条第2項は、伐る木の高さの2倍の距離を半径とする円の内側に、ほかの作業者を入れないよう定めています
  • 天気:第483条は、強風・大雨・大雪などの悪天候で危険が予想されるときは、作業をさせてはならないとしています

ガイドラインは、チェーンソーの扱い方についても次のように書いています。

  • エンジンをかけるときは、原則としてチェーンソーを地面に置いて押さえて行う
  • 前と後ろのハンドルに親指を回してしっかり持ち、体の一部や木で支える
  • 肩より高く上げて作業しない
  • 持って移動する前に、チェーンブレーキをかけてソーチェーンが止まっていることを確かめる
使い方に自信がないときは、竹用のこぎりや電動のこぎりに切りかえるか、業者に頼んでください。

自分で伐るのが難しいとき

竹が太い、本数が多い、斜面にある、家や電線の近くにあるときは、業者に頼むことも考えます。

業者に頼んだときの費用は 竹の伐採を業者に頼んだときの費用、伐った竹の片づけは 伐った竹の処分方法 を見てください。

よくある質問

竹をチェーンソーで切るのに資格は必要ですか?
仕事として労働者にチェーンソーで伐木などをさせる事業者は、労働安全衛生法第59条第3項と労働安全衛生規則第36条第8号により特別教育を行う必要があります。自分の土地の竹を自分で切るだけなら、この規定の対象ではありませんが、内容は参考になります。
チェーンソーの特別教育は何時間ですか?
厚生労働省のリーフレットでは、学科が伐木等作業の知識4時間、チェーンソーの知識2時間、振動障害2時間、関係法令1時間の計9時間、実技が伐木等の方法5時間、操作2時間、点検整備2時間の計9時間です。2020年8月1日から適用されています。
チェーンソーで竹を切るとき、何を身につければいいですか?
厚生労働省のガイドラインは、JIS T8125-2に合う防護ズボン、保護部材入りの安全靴、保護帽、保護網または保護眼鏡、防振・防寒の厚手の手袋、エンジンをかけている間の耳栓などを挙げています。
竹をチェーンソーで切ると、どんな危険がありますか?
神戸市のマニュアルは、倒す側から刃を入れると切り進むうちに刃が挟まること、傾きの大きい竹は裂けることがあることを挙げています。太い竹は1本50kg以上になり、倒れてきた竹とぶつかる危険もあります。

出典

数字は上の資料の原文で確かめています(調べ方)。

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