竹チップ・竹パウダーの使い方
公開 2026年10月20日 更新 2026年10月20日
この記事の結論
- 竹チップは、畑や庭の草よけ(マルチング)に使えます。丹波篠山市のマニュアルは厚さ3〜5cm、静岡県の資料は竹パウダーを10cm以上と書いています。
- 土に混ぜるなら少しにします。神戸市の試験では、培養土に10%混ぜても使えるという結果でした。チップだけで植物を育てるのは難しいとされています。
- 堆肥にするなら、牛ふんや汚泥などほかの材料と混ぜた例があります。
- 「竹パウダーで野菜がよく育つ」とは言い切れません。北九州市の試験では、効果が見られない年もありました。
竹チップと竹パウダーは何が違う?
どちらも竹を機械で細かくしたもので、粒の大きさが違います。竹チップは粉砕機(チッパー)で砕いたもの、竹パウダーはさらに細かく粉にしたものです。
静岡県の「竹林整備読本」は、バンブーパウダーを「太い竹を丸ごと機械で粉末化し高温で熱処理したもの」と説明しています。製品によって作り方は違うので、買うときは売り手の説明を確かめてください。
自分で作るなら、竹粉砕機でチップにします。機械の選び方と、自治体の貸出は 竹粉砕機の選び方と借り方 にまとめました。
草よけ(マルチング)に使う
竹チップをすき間なく厚めに敷くと、草が生えにくくなります。公的な資料にある厚さは次のとおりです。
| 使う場所 | 厚さ・やり方 | 資料 |
|---|---|---|
| 畑(ビニールマルチの代わり) | 竹チップを3〜5cm。終わったら畑にすき込める | 丹波篠山市 |
| プランター | 土に竹チップを少し混ぜ、表面に5cm程度敷く | 神戸市 |
| 植木の根元 | 草を取った上に、水を混ぜた竹パウダーを10cm以上敷き、踏み固める | 静岡県 |
| 竹林の周り・作業道 | チップを厚く敷く(雑草防止と竹の広がりをおさえる効果が期待できる) | 静岡県 |
丹波篠山市のマニュアルは、竹チップマルチは「一定の防草効果」があり、ビニールマルチと違ってごみにならないと書いています。育てる植物に合わせて、厚さや敷く時期を変えて試すよう勧めています(竹林整備マニュアル『丹波篠山竹取物語』、丹波篠山市)。会津若松市も、木材チッパーで作ったチップを防草用のマルチ材などに使えると案内しています。
草を完全に止めるものではありません。敷く前に今ある草を取り、薄くなったら足します。
土に混ぜる・培養土に使う
土に混ぜるなら、少しの量にとどめます。チップだけで植物を育てるのは難しいとされています。
神戸市のマニュアルは、花農家と組んで、培養土の一部を竹チップに置きかえる栽培試験をした結果を載せています。生の竹でも枯れた竹でも、10%混ぜても使えることが分かったとしています(神戸市竹林管理マニュアル、神戸市)。試験では30%混ぜた区も比べていますが、使えるとされたのは10%です。
丹波篠山市のマニュアルは、竹チップだけで植物を育てるのは難しいと書いています。培養土の半分を竹チップにし、竹チップとピートモスで育てる方法を紹介しています。竹チップとピートモスだけの土でも、肥料を与えればキクが育ったとしています。
堆肥にする
竹チップを堆肥にするなら、ふんや汚泥などと混ぜて寝かせる例があります。
| やり方 | 結果 | 資料 |
|---|---|---|
| 半年ほど寝かせた竹チップを畑にまく | 有機質資材として土壌改良に使える | 丹波篠山市 |
| 乾燥汚泥と竹チップを混ぜ、3か月ほど堆肥にする | 丹波黒大豆の収量が上がった例がある | 丹波篠山市 |
| 牛のふん尿と竹チップを8対2で混ぜて堆肥にする | 窒素2.7%、リン酸4.3%、カリウム4.8%、ケイ素7.4%。一般的な牛ふん堆肥と同程度。栽培試験でも順調に育った | 神戸市 |
効果が出なかった試験もある
竹パウダーを入れれば必ずよく育つ、とは言えません。市や県の試験では、効果が見られなかった結果も出ています。
北九州市の総合農事センターは、令和2年度からトマトと大葉しゅんぎくで竹パウダーの試験を続けています(試験栽培、北九州市)。
- 令和5年度の報告:初年度は竹パウダー区の育ちがよかったが、その後はその傾向が見られない
- 令和6年度のトマト:根の長さは竹パウダー区がいちばん長かったが、味の試験では竹を使わない慣行区がいちばん好評。「食味においては高い効果は示されなかった」としている
- 令和6年度の大葉しゅんぎく:竹由来の資材が育ちに好影響があることが「示唆された」としている
山口県農林総合技術センターは、ブルーベリーを育てる培地(土の代わり)に竹チップを50cmの厚さで使う試験をしました。針葉樹のチップより育ちも収量も劣り、資材がはやく分解されて木が倒れることもありました。年がたつにつれて竹チップが分解し、通気性が落ちたと考えられるとして、竹チップは培地資材に「適さない」と判断しています(山口県農林総合技術センター研究報告 第4号)。
畑や庭のほかの使い道
竹チップや竹パウダーは、畑の資材のほかに、家畜の敷料や歩道などにも使われています。
| 使い道 | 内容 | 資料 |
|---|---|---|
| 家畜の飼料 | 竹チップの水分を約50%にして密閉できる容器で2か月ほど保存すると、乳酸菌の発酵でサイレージ(家畜の飼料)に近い状態になる。鶏や牛・豚に5〜10%ほどの割合で与えられる。採卵鶏に5%与えて産卵率が上がり、卵の品質は変わらなかった報告がある | 丹波篠山市 |
| 家畜の敷料 | 値上がりしているおが粉の代わりに、粉砕した竹を敷料に使う実証をしている。使ったあとはふん尿と混ざって堆肥になる | 神戸市 |
| 歩道・馬の調教場 | 竹パウダーはクッション性と水はけがよく、歩道の舗装や馬の調教場に使われている | 静岡県 |
家畜の飼料は、家畜を飼っている人向けの使い方です。与える量や方法は、獣医師や地域の畜産の窓口に相談してください。
竹チップを作るとき・使うときの注意
チップにする竹は、伐ったあと枝葉を取り、短く切ってから粉砕機に入れます。神戸市のマニュアルは、濡れた竹や直径10cmを超える竹、枝葉ばかりの投入は詰まりの原因になるので、なるべく避けるよう書いています。
チップは作った場所でそのまま使うと、運ぶ手間がかかりません。静岡県の読本は、運び出せない場所では小型の自走式ウッドチッパーで竹林の中でチップにし、竹林の周りや作業道に敷く方法を紹介しています。
チップにしない竹の処分は 伐った竹の処分方法、炭にして使う方法は 竹炭の作り方 を見てください。竹を伐る手順は 竹を伐る時期と、自分で伐る手順・道具 にまとめています。
よくある質問
- 竹チップで草よけ(マルチング)をするには、どのくらいの厚さが必要ですか?
- 丹波篠山市のマニュアルは、ビニールマルチの代わりに竹チップを厚さ3〜5cmでまくと一定の防草効果があるとしています。静岡県の資料は、竹パウダーを10cm以上の厚さに敷いて踏み固める方法を紹介しています。
- 竹チップを畑の土に混ぜてもいいですか?
- 量に注意します。神戸市の資料では、花の培養土に竹チップを10%混ぜても使えるという結果でした。丹波篠山市のマニュアルは、竹チップだけで植物を育てるのは難しいとしています。土に入れるなら、半年ほど寝かせたチップを使う方法が紹介されています。
- 竹パウダーを使えば野菜の育ちがよくなりますか?
- はっきりした効果は確かめられていません。北九州市の試験では、初年度は竹パウダーを入れた区の育ちがよかったものの、その後はその傾向が見られませんでした。トマトでは根の量は多くなっても、味の評価は竹を使わない区が上でした。
- 竹チップは堆肥になりますか?
- ほかの材料と混ぜて堆肥にした例があります。神戸市の資料では、牛のふん尿と竹チップを8対2で混ぜた堆肥が、一般的な牛ふん堆肥と同程度の成分でした。丹波篠山市のマニュアルには、乾燥汚泥と竹チップを混ぜて3か月ほど堆肥化した例があります。
出典
- 竹林整備マニュアル『丹波篠山竹取物語』(丹波篠山市)
- 神戸市竹林管理マニュアル(神戸市)
- 竹林整備読本(静岡県環境森林部、袋井市ホームページ掲載)
- 試験栽培(北九州市 総合農事センター)
- 令和6年度トマトにおける竹パウダー施用試験(北九州市 総合農事センター)
- 令和6年度大葉しゅんぎくにおける竹パウダー施用試験(北九州市 総合農事センター)
- 令和5年度竹パウダーの初期土壌改良効果の検証試験(北九州市 総合農事センター)
- 山口県農林総合技術センター研究報告 第4号(山口県)
- 木材チッパーの貸出(会津若松市)
数字は上の資料の原文で確かめています(調べ方)。