竹炭の作り方
公開 2026年10月20日 更新 2026年10月20日
この記事の結論
- 竹炭は、空気を少なくした状態で竹を熱して作ります。家庭向けには、オイル缶の炭窯や無煙炭化器(金属の鉢の形をした炭化器)を使う方法が公的機関から公開されています。
- 熊本県林業研究・研修センターのオイル缶炭窯では、着火から窯止めまで2時間半〜3時間でした。煙の色が白から青、ほぼ透明に変わったら窯を止めます。
- 火を使う前に、消防署への届出を確かめます。多くの市町村の火災予防条例は、火災とまぎらわしい煙を出す行為を事前に届け出るよう定めています。
- 竹をそのまま燃やすのは、廃棄物処理法で禁じられた野焼きにあたるおそれがあります。
竹炭を作る方法にはどんなものがある?
竹炭の作り方は、地面に穴を掘る簡単な方法から、本格的な炭窯まであります。
静岡県の「竹林整備読本」は、竹炭の焼き方として次の方法を挙げています。一般に商品として売られている竹炭は、ほとんどが黒炭窯で焼かれているとしています。
| 方法 | どんなものか | 向いている人 |
|---|---|---|
| 伏せ焼き | 平地に穴を掘って焼く | 道具が少なくても試したい人 |
| ドラム缶窯・移動炭化炉 | ドラム缶やステンレス製の窯で焼く。窯を動かせる | 竹林の近くで焼きたい人 |
| オイル缶炭窯 | オイル缶2つで作る小さな窯(熊本県林業研究・研修センター) | 家庭で少量を焼きたい人 |
| 無煙炭化器 | 鉢の形の炭化器に竹を入れながら燃やし、炭にする | 竹林整備で出た竹をまとめて炭にしたい人 |
| 黒炭窯・白炭窯 | 土などで作る本格的な炭窯 | 炭焼きを続ける団体など |
静岡県の読本によると、竹炭は炭化の温度で性質が変わります。ドラム缶窯や移動式炭化炉では炭化温度が400〜600℃で、pH6くらいの炭ができるとしています。
岡山県の森林研究所は、ドラム缶で作った炭窯や移動式炭化炉があり、炭焼きの資料を用意しているので相談してほしいと案内しています。
オイル缶炭窯で竹炭を焼く手順
熊本県林業研究・研修センターは、オイル缶で作る「熊本林研式オイル缶炭窯」の作り方と、竹炭の焼き方を公開しています。焼き方の手順は次のとおりです(「あなたも簡単に炭が焼けます 竹炭の焼き方編」、熊本県林業研究・研修センター)。
- 炭材(割った竹)の節を落とし、炭窯缶にすき間なくぎっしり詰める。底にタールがたまるので、短い材で「ロストル」(床)を作っておく
- 穴を掘って窯を置き、煙突を2本つなぐ
- すき間に土が入らないよう新聞を巻き、焚口の上まで土で埋め戻す
- 焚口の前でたき火をし、うちわであおいで熱を送る
- 煙が引くようになったら焚口をしぼる。引きが悪くなったら焚口を開ける
- 白いもくもくした煙から、青いさらっとした煙、ほぼ透明な煙に変わったら、2〜3分焚口を開ける(ネラシ)
- 焚口と煙突を完全にふさぐ(窯止め)。煙突は濡らした新聞紙を巻いて板で押さえ、焚口は土で埋める
- 窯や煙突が十分に冷えてから、煙突側のふたを取って炭を出す
資料の写真に書かれた経過時間では、作業を始めてから窯止めまで約3時間、窯出しまで約4時間半です。竹の乾き具合で時間は変わるので、目安と考えてください。
窯の作り方編では、炭化時間(着火〜窯止め)は、1号窯・2号窯が2時間半〜3時間、排煙口を小さくした3号窯が6時間半だったとしています。3号窯は時間がかかるかわりに、炭になる割合が上がるとしています。
無煙炭化器で竹炭を作る手順
無煙炭化器は、竹を少しずつ入れながら燃やし、器の下の方で酸素が足りない状態にして炭にする道具です。桑折町(福島県)は、使い方を次のように案内しています(無煙炭化器の使用方法、桑折町)。
- 竹はなるべく乾かしておく。太すぎると時間がかかるので、太さ5cm以下が望ましい
- 火事の心配のない広い場所の、平らな土の上に置く。草の上には置かない
- 段ボールや細い枝で熾火(おきび)を作り、器の温度を上げる
- 熾火ができたら、空気が通るように竹を少しずつ入れる。一度にたくさん入れると火力が下がり、煙が出る
- 火力が上がったら、器の7〜8分目まで続けて入れる。炎が高くなるので十分注意する
- 炎が小さくなり、消えたら炭化の完了
- 水をかけて完全に消すか、火消しのふたをかぶせて周りに土をかけ、一昼夜置く
丹波篠山市のマニュアルは、太い竹は適当な長さにして、六つ割り器で割ってから炭にするとよいとしています。
無煙炭化器は、丹波篠山市や桑折町などが無料で貸し出しています。貸出の条件は 竹林の補助金・貸出 で確かめてください。
野焼きにならないように
竹をそのまま燃やして処分するのは、野焼きにあたるおそれがあります。
廃棄物処理法第16条の2は、「何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない」と定めています。例外は、廃棄物処理法施行令第14条にある、農業・林業を営むためにやむを得ない焼却や、たき火など日常生活で通常行われる軽微な焼却などです(e-Gov法令検索。令和8年9月16日施行の改正を反映した現行の条文で確認)。違反すると、第25条により5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方の対象になります。
桑折町は、生活ごみや事業ごみを燃やすと、法律で禁じられた野焼きになると注意しています。炭焼きのつもりでも、ごみやくずを一緒に燃やしてはいけません。
自分の炭焼きが例外にあたるかどうかは、条文だけでは決まりません。始める前に、市町村の環境担当課に相談してください。例外の5つと罰則は 伐った竹の処分方法 でも説明しています。
消防署への届出
炭焼きや無煙炭化器を使う前に、消防署に届出が必要か確かめます。多くの市町村では、火災予防条例で届出が決められています。
たとえば横浜市火災予防条例第75条は、「火災と紛らわしい煙又は火炎を発するおそれのある行為(たき火等を含む。)」をしようとする人は、あらかじめ消防署長に届け出なければならないと定めています(横浜市火災予防条例)。川崎市も、川崎市火災予防条例第63条第1号にもとづいて同じ届出を受け付けています。条文の番号は市町村ごとに違います。
| 市町村 | 案内の内容 |
|---|---|
| 丹波篠山市 | 無煙炭化器を借りるときは、事前に消防本部に「火災と紛らわしい煙又は火災を発するおそれのある行為の届出書」を出す。貸出日の前日までに正・副2部 |
| 桑折町 | 使うたびに、前日までに消防署(西分署)へ届出書を2部出す |
| 神戸市 | 無煙炭化器を使うときは、近所の人への周知や消防への連絡を行う |
| 熊本県林業研究・研修センター | 実際に炭を焼くときの届出などは、最寄りの消防署に確かめる |
届出の様式は、多くの消防本部がホームページに載せています。住んでいる地域の消防本部で確かめてください。
危ない場面と防ぎ方
炭焼きで危ないのは、火が燃え広がるとき、窯を開けるとき、できた炭をしまうときです。公的な資料にある注意をまとめました。
| 場面 | 注意 | 資料 |
|---|---|---|
| 始める前 | 風が強い日は使わない。燃え広がりを防ぐための水を用意する | 桑折町 |
| 置く場所 | 広い場所の平らな土の上に置き、草の上には置かない | 桑折町 |
| 竹を入れるとき | 火力が上がると炎が高くなるので十分注意する | 桑折町 |
| 窯出し | 窯や煙突が十分に冷えてから開ける。冷えていないと開けたときに燃え出すことがある | 熊本県 |
| 水で消すとき | 煙が出ているうちは火種が残っている。完全に消えるまで十分に水をかける | 桑折町 |
| しまうとき | 炭は燃えやすい。火の元から離し、燃えやすい袋や物の近くに置かない | 桑折町 |
| 近所 | 近所の人に知らせ、消防に連絡する | 神戸市 |
できた竹炭の使い道
静岡県の読本は、竹林のあとに木を植えるとき、植え穴を少し大きく掘り、竹炭や堆肥を入れて植えるのが望ましいとしています。竹林の土は酸性が強く、やせているためです。
ほかにも、竹炭の効能をうたう情報はたくさんあります。このサイトでは、公的な資料で確かめられない効能は紹介していません。
竹炭のほかに、竹をチップにして使う方法は 竹チップ・竹パウダーの使い方 にまとめました。炭にする竹を割る方法や乾かし方は 伐った竹の割り方・乾かし方 を見てください。
よくある質問
- 竹炭は家庭でも作れますか?
- 小さな窯なら作れます。熊本県林業研究・研修センターは、オイル缶2つを使った炭窯と竹炭の焼き方を公開しています。火を使うので、事前に最寄りの消防署に届出などを確かめてください。
- 竹炭を焼くとき、消防への届出は必要ですか?
- 多くの市町村の火災予防条例は、火災とまぎらわしい煙や炎を出すおそれのある行為をするとき、事前に消防署へ届け出るよう定めています。丹波篠山市や桑折町は、無煙炭化器を使う前に届出書を出すよう案内しています。
- 竹炭を焼くのにどのくらい時間がかかりますか?
- 熊本県林業研究・研修センターのオイル缶炭窯では、着火から窯止めまで2時間半〜3時間(排煙口が小さい窯では6時間半)でした。そのあと窯が冷えるまで待ちます。竹の乾き具合で時間は変わります。
- 庭で竹を燃やして炭にしてもいいですか?
- 竹をそのまま燃やすのは野焼きにあたるおそれがあります。廃棄物処理法第16条の2は、例外を除いて廃棄物の焼却を禁じています。炭焼きをする前に、市町村の環境担当と消防署に確かめてください。
出典
- あなたも簡単に炭が焼けます 竹炭の焼き方編(熊本県林業研究・研修センター)
- あなたも簡単に炭が焼けます 熊本林研式オイル缶炭窯の作り方編(熊本県林業研究・研修センター)
- これまでに発行した手引き等(熊本県林業研究・研修センター)
- 無煙炭化器を貸し出します(桑折町)
- 無煙炭化器の使用方法(桑折町)
- 竹粉砕機・無煙炭化器を貸し出します(丹波篠山市)
- 竹林整備マニュアル『丹波篠山竹取物語』(丹波篠山市)
- 簡単に炭を焼く手段はありませんか?(岡山県 森林研究所)
- 竹林整備読本(静岡県環境森林部、袋井市ホームページ掲載)
- 神戸市竹林管理マニュアル(神戸市)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(e-Gov法令検索)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(e-Gov法令検索)
- 横浜市火災予防条例(横浜市例規集)
- 火災と紛らわしい煙又は火炎を発するおそれのある行為届(川崎市)
数字は上の資料の原文で確かめています(調べ方)。